文豪ストレイドッグス

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BUNGO STRAY DOGS NEWS

高知県立文学館コラボ第2弾の詳細を発表

2023年10月7日(土)より開催する『めざめる探偵たち 〜文豪ストレイドッグス×高知県立文学館」の詳細が決定いたしました。『文豪ストレイドッグス』に関する展示コーナーのほか、コラボイラストを使用したポストカードプレゼント企画も決定いたしました。さらに、1月7日には原作者の朝霧カフカ先生出演のトークイベントも実施いたします。

開催日時

2023年10月7日(土)〜2024年1月8日(月・祝)
午前9時〜午後5時(入館は午後4時半まで)
※12月27日(水)〜1月1日(月)は年末年始のため休館

開催場所

高知県立文学館2F 企画展示室

観覧料

500円(常設展含む)高校生以下、無料、20名以上の団体は2割引

公式サイト

https://www.kochi-bungaku.com/

文豪ストレイドッグス 関連イベント
①クイズイベント
展示室を巡りながらの謎解きに参加すると、「文豪ストレイドッグス」高知県立文学館コラボ描き下ろしイラストのポストカードをプレゼントします。

【開催日時】
下記4日間 各日①午前10時〜12時 ②午後2時〜4時
□10月7日(土)/エドガー・アラン・ポーの没日□10月21日(土)/江戸川乱歩の誕生日□11月20日(月)/黒岩涙香の誕生日□12月10日(日)/馬場孤蝶の誕生日
【場所】
高知県立文学館2F ロビー

※参加には当日観覧権が必要となります(高校生以下無料)※クイズの参加はお一人様1日1回まで。 ※毎回絵柄が変わります。(絵柄3種類)


②先着プレゼントdays
下記の5日間に限り、当日観覧いただいた先着100名様に展覧会ポスター(A2サイズ)とコラボ描き下ろしイラストを使用したポストカードをプレゼントします。

【開催日時】
下記5日間 各日 午前9時〜
□10月31日(火)/ハロウィンを一緒に♪先着プレゼント□12月24日(日)/クリスマスを一緒に♪先着プレゼント□12月25日(月)/クリスマスを一緒に♪先着プレゼント□1月2日(火)/お正月をご一緒に♪先着プレゼント□1月3日(水)/お正月をご一緒に♪先着プレゼント
※なくなり次第配布終了となりますので予めご了承ください。※当日の観覧券ご購入の際にプレゼントをお渡しいたします。

③ファイナル・イベント
コラボ終了直前の1月7日(日)に「文豪ストレイドッグス」原作者の朝霧カフカ先生やスタッフ陣によるトークイベントを実施いたします。

【出演】
朝霧カフカ(原作者)、加藤浩嗣(漫画担当編集)、倉兼千晶(アニメプロデューサー)

【日時】
2024年1月7日(日)午後2時〜

【場所】
高知市文化プラザかるぽーと 大ホール

【応募方法】
ご参加希望の方は、往復はがきに①氏名、②年齢、③住所、④電話番号を記入して下記までご応募ください。
〒780-0850 高知市丸ノ内1-1-20 高知県立文学館 ファイナルイベント係

【応募締切】

2023年12月1日(金)まで(当日消印有効)
※応募はお一人様一回限り※応募には返信ハガキが必要になります。※応募多数の場合は抽選となります。抽選結果は文学館からの返信ハガキでご確認ください。

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隴西の李徴は博学才穎、天宝の末年、若くして名を虎榜に連ね、ついで江南尉に補せられたが、性、狷介、自ら恃むところ頗る厚く、賤吏に甘んずるを潔しとしなかった。

いくばくもなく官を退いた後は、故山、虢略に帰臥し、人と交を絶って、ひたすら詩作に耽った。

下吏となって長く膝を俗悪な大官の前に屈するよりは、詩家としての名を死後百年に遺そうとしたのである。

しかし、文名は容易に揚らず、生活は日を逐うて苦しくなる。李徴は漸く焦躁に駆られて来た。

この頃からその容貌も峭刻となり、肉落ち骨秀で、眼光のみ徒らに炯々として、曾て進士に登第した頃の豊頬の美少年の俤は、何処に求めようもない。

数年の後、貧窮に堪えず、妻子の衣食のために遂に節を屈して、再び東へ赴き、一地方官吏の職を奉ずることになった。一方、これは、己の詩業に半ば絶望したためでもある。

曾ての同輩は既に遥か高位に進み、彼が昔、鈍物として歯牙にもかけなかったその連中の下命を拝さねばならぬことが、往年の儁才李徴の自尊心を如何に傷けたかは、想像に難くない。

彼は怏々として楽しまず、狂悖の性は愈々抑え難くなった。一年の後、公用で旅に出、汝水のほとりに宿った時、遂に発狂した。

或夜半、急に顔色を変えて寝床から起上ると、何か訳の分らぬことを叫びつつそのまま下にとび下りて、闇の中へ駈出した。

彼は二度と戻って来なかった。附近の山野を捜索しても、何の手掛りもない。その後李徴がどうなったかを知る者は、誰もなかった。

翌年、監察御史、陳郡の袁傪という者、勅命を奉じて嶺南に使し、途に商於の地に宿った。

次の朝未だ暗い中に出発しようとしたところ、駅吏が言うことに、これから先の道に人喰虎が出る故、旅人は白昼でなければ、通れない。

今はまだ朝が早いから、今少し待たれたが宜しいでしょうと。袁傪は、しかし、供廻りの多勢なのを恃み、駅吏の言葉を斥けて、出発した。

残月の光をたよりに林中の草地を通って行った時、果して一匹の猛虎が叢の中から躍り出た。

虎は、あわや袁傪に躍りかかるかと見えたが、忽ち身を飜して、元の叢に隠れた。

叢の中から人間の声で「あぶないところだった」と繰返し呟くのが聞えた。

その声に袁傪は聞き憶えがあった。驚懼の中にも、彼は咄嗟に思いあたって、叫んだ。

「その声は、我が友、李徴子ではないか?」袁傪は李徴と同年に進士の第に登り、友人の少かった李徴にとっては、最も親しい友であった。

温和な袁傪の性格が、峻峭な李徴の性情と衝突しなかったためであろう。

叢の中からは、暫く返辞が無かった。しのび泣きかと思われる微かな声が時々洩れるばかりである。

ややあって、低い声が答えた。「如何にも自分は隴西の李徴である」と。

袁傪は恐怖を忘れ、馬から下りて叢に近づき、懐かしげに久闊を叙した。

そして、何故叢から出て来ないのかと問うた。李徴の声が答えて言う。自分は今や異類の身となっている。

どうして、おめおめと故人の前にあさましい姿をさらせようか。

かつ又、自分が姿を現せば、必ず君に畏怖嫌厭の情を起させるに決っているからだ。

しかし、今、図らずも故人に遇うことを得て、愧赧の念をも忘れる程に懐かしい。

どうか、ほんの暫くでいいから、我が醜悪な今の外形を厭わず、曾て君の友李徴であったこの自分と話を交してくれないだろうか。

後で考えれば不思議だったが、その時、袁傪は、この超自然の怪異を、実に素直に受容れて、少しも怪もうとしなかった。

彼は部下に命じて行列の進行を停め、自分は叢の傍に立って、見えざる声と対談した。

都の噂、旧友の消息、袁傪が現在の地位、それに対する李徴の祝辞。